こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
さて、ここでは 被相続人のご自宅等から自筆証書遺言書が見つかった場合の、検認手続きについてお話をさせていただきます。参照:一番身近な相続対策、自筆証書遺言の作成方法、メリットとデメリットは?
相続が開始後の遺言書は、家庭裁判所の検認の手続きが必要です。(※公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認が不要です)。
相続財産に不動産がある場合でも、検認を経ていない遺言書では登記手続きはできず、預貯金の相続による名義変更においても検認を経ていない遺言書では手続きは行えません。(法務局や金融機関で、検認証書が無いことには受け付けてもらえません。)
また検認前の話でも、遺言書を見つけても開封はしないでください。なぜなら、遺言書を勝手に開封した場合は過料が課せられるからです。
家庭裁判所に対する検認については、たとえ相続人全員が遺言書の存在について異論がない場合であっても必要となりますですので、まず家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。
目次【本記事の内容】
1.家庭裁判所の遺言書検認申立ての流れ
先ず最初に、検認申立てをする家庭裁判所について調べます。
これは、被相続人(遺言作成者)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になりますので、その住所地を管轄する家庭裁判所は裁判所のホームページで調べることが出来ます。
そして、誰が遺言書検認の申立て人になるかについてですが、遺言書の保管者(指定されている場合は遺言執行者の)か、遺言を発見した相続人が行うこととなります。
1-1.遺言書検認に必要な費用
検認の申立てに必要な費用は遺言書(封書の場合は封書)1通につき収入印紙800円分です。
また、家庭裁判所との連絡用に郵便切手が別途必要となりますが、詳細につきましては管轄する各地の家庭裁判所にご確認下さい。
なお、相続手続きには検認証明書が必要になります。検認証明書は収入印紙150円かかります。
1-2.遺言書検認に必要な書類
基本な内容として、下記の書類を事前に準備する必要があります。
- 1 検認申立書
- 2 遺言者の出生から死亡時までの全ての戸籍謄本(除籍謄本)
- 3 相続人全員の戸籍謄本
- あくまで基本的な書類の例示です。法定相続人の構成によっては必要書類が変わりますので注意してください。
- 申立前に入手が不可能な戸籍等がある場合は申立て後に追加提出できますが、審理のために別途追加書類の提出を求められる場合があります。
- 検認の申立てをする遺言書そのものは、検認の日に提出することになります。
2.検認手続きの大まかな流れ
申立書や提出書類に不備がなければ、申立後から約1カ月程度で、家庭裁判所から相続人全員に検認期日についてのお知らせが郵送で送られてきます。(※検認当日に法定相続人全員が集まらなかったとしても、検認は実施されます。欠席者には手続後に終了通知が送られてきます。)
ただし、申立人に関しては欠席することができません。
検認日当日に申立人は、遺言書と印鑑を持参する必要があります。
出席した相続人及び家庭裁判所の職員の立ち合いのもと、遺言書を開封し日付、筆跡、署名、本文を確認します。
確認後、検認調書が作成され相続手続きをする場合、別途検認証明書の発行の申請をすることができます。
ここで発行してもらった検認証明書と遺言書を使い、不動産の相続登記手続きや銀行の名義変更手続きを進めていくことになります。
3.検認の効果と遺言の有効性、無効の判断について。
ここで一点、ご注意を喚起しておきたい点があります。
家庭裁判所をこうして介入させるくらいの手続きである、自筆証書遺言書の検認申立てなのですが…、
実は、この検認の手続きの効果については、あくまで証拠保全としての側面しかなく、遺言の内容や有効性についてまで、家庭裁判所による判断が下されているわけではありません。
有り体いうと、家庭裁判所による検認を経たからといって、その遺言書の無効だった内容が有効になるわけではありません。
この点、法定相続人同士に、遺言書の内容に疑義が残り、遺言の有効か無効かの判断をする必要がある場合は、別に訴訟を提起することで確認されることになります。
繰り返すようですが、あくまでも家庭裁判所による遺言書の検認は、検認日後偽造や破棄を防ぐためにする手続きです。
この点、前回でも紹介したように、公正証書遺言に検認申立が必要ないのは、公正証書遺言であれば、公証役場に原本が保管されている為に、相続人による偽造や変造、破棄を心配する必要が無いからです。
また検認の終了は上記のとおり相続人全員に通知されるため(検認に参加していなくても)、遺言書が存在することを相続人全員に周知させることが可能になります。
まとめ
自筆証書遺言を用いた相続による不動産登記申請や預貯金の解約などの手続きは、全て、ここで確認した検認済みの遺言書が必要となります。
当事務所では家庭裁判所に対する検認手続きから、それ以降の各種の相続手続きについてまでご依頼していただくことが可能です。【※遺言書の検認手続きには3万円の報酬が発生します。】
当事務所では、相続手続きや遺言書作成についてお困りのご相談者様のお話をじっくり聞いて、専門家との連携により全ての手続きを一括サポートさせていただきます。
相続・遺言の問題について、どこに相談していいのかわからないといった方は、まず当事務所までご相談ください。
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なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。