こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

さて、近年では、遺言を作成される方が非常に増えています。

弊所に相談に来られるご相談者さまでも、残された家族への配慮から作成される方がほとんどです。

その内容は、相続財産で揉めたりしないように、財産について方針であったり、残されたご家族の在り方などについて、多岐にわたります。

なによりも、円満な状態での相続を実現するためにも遺言を残すことは大変有益です。

民法では大きく分けて、3種類の普通方式の遺言と、さらに4種類の特別方式の遺言(※災害や緊急事態における場合の遺言)が規定されています。

特別方式遺言については、よほどの非常事態でもない限り残される事はないので、まずは、普通方式の遺言についてから説明していきます。

そして、ここでは、この普通方式の遺言の中の、自筆証書遺言について焦点を当てて説明お話を進めていきたいと思います。

目次【本記事の内容】

1.自筆証書遺言とは?

まず、自筆証書遺言とは、そのまま読んで字のごとく、自分自身で書いて作成する遺言です。

普通方式の遺言に関して言えば、他に公証役場で作成する公正証書遺言、内容を秘密にした上で、公証役場で遺言書が作成されている旨を証明をしてもらう秘密証書遺言があります。

それらの中で、自筆証書遺言は、最も手軽に、尚且つ費用も掛からずに作成できる遺言です。

しかし、遺言書の内容そのものは、あくまでも作成者の死後になってから効果が発生するものなので、その作成方法については、厳格な要件が定められています。

大きく分けて、自筆証書遺言が法律的に政率する要件が下記の通りになってきます。

1-1.【自筆証書遺言-5つの成立要件】

全文自書

全文とは、いわゆる本文にあたる部分、遺言の実質的内容を示す範囲のコトを指します。

自筆である理由は、何よりも筆跡によって本人が書いたものとして判定でき、自筆ということが分かれば、結果的に、遺言の内容が真意であると推測できるからです。

つまりWordやワープロで作成された遺言は無効です。※ただし、2019年の法改正によって、財産目録の部分については、自筆以外の方法(Wordやワープロなど)が認められることになりました。

また、法律で禁止されているワケではないので、この点、自筆であれば鉛筆で遺言書を作成しても要件は満たしますが、これは流石に避けるべきです。(※消えてしまう可能性があるのと、変造されるリスクも高いです。)

問題になりがちなのは、代筆が可能であるかどうかについて、ご質問を頂くことがあるのですが、代筆は許されません。

非常にご高齢の方などで、筆圧が維持できないがために、自分で字を書くことが難しい方もいらっしゃいますが、そのような場合でも、自筆証書遺言の場合の代筆はNGなので、必ず自分自身の字で書く必要があります。

もし仮に自分以外の人(自分の子供や親族)が代理で記入した場合、その遺言書自体が無効となります。

②日付の自書

日付が効力要件になっているのは、遺言書がどの時点で作成されたかを明確にすることによって、作成者が遺言作成能力を持っていたのかについて判定基準を残すためです。

また、遺言が複数ある場合も想定されるので、一番新しいものに効力を認める趣旨も持ちます。

年月日全て必要で、年月のみで日付のない場合や、○年○月吉日などといった例も判例上は無効になります。

氏名の自書

当然の話ながら、作成者を明確にして、誰の遺言なのかを明らかにするために必要です。

また本分だけでなく、氏名も自筆で記載することが必要です。

しかし、意外にも上記のとおり、誰の遺言かを明らかにするのが目的であるために、この氏名は戸籍上のものでなくても大丈夫であったりします。

通称や芸名、雅号などでもかまいません。

この点に関して言えば、本人と識別できる名前なら問題ないという話になります。

押印

押印が要求される理由としては、氏名を自書するのと全く同じです。

実印でも認印でもかまいませんが、より確実な意味では、実印でご用意いただいた方がいいでしょう。

加除その他の変更

もし、書き損じがあった場合は、その個所に訂正印を押し、欄外に訂正の内容や加えた文字、削除した文字等を記載して行います。(※この方式にのっとっていないの訂正等は無効になりますが、遺言までは無効にはなる趣旨ではありません。)

参照:民法968条2項 加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければならない

 以上、自筆証書遺言は上記の5つの要件を満たさないと効力が発生しませんので注意するひつようがあります。

また、遺言の内容に具体的な財産を指定する場合は、不動産の表示であれば登記簿通りに、預金などの場合も、銀行名から支店、口座番号などまで、詳細に記載すべきです。(※遺言の有効性の要件ではないのですが、ここが不明確であると、登記手続きや預貯金変更手続きの際に、法務局や銀行のほうで客観的な判断ができなくなります。)

2自筆証書遺言のメリット、デメリット

冒頭でも説明した通り、自筆証書遺言は自分一人で書くことができる上に、手数料もかかりません。

他の遺言作成手段である、公正証書遺言を作成する場合に比べ、非常に手軽に着手できる相続対策であると言えます。

また、他に公正証書遺言と違う点としては、遺言の内容を公表しないので、財産の内容を他人に知られる恐れもありません。(※公正証書遺言の場合は、遺言そのものの内容や、財産の内容まで公証人に公表することになります)

これらが自筆証書遺言のメリットと言えます。

では、逆に自筆証書遺言のデメリットはとはどのような点が挙げられるでしょうか?

この点は公正証書遺言と比較するとよく分かります。

まず、場合によっては遺言の存在自体が、相続人に気づかれない恐れがあります。

また、上記の要件を満たしていない遺言を書いてしまい、遺言が無効になってしまうことも非常に多いです。

次に、これも公正証書遺言に比べると、変造や偽造のリスクが非常に高いです。

より悪質な事例としては、被相続人が、相続人の誰かから騙されたり、圧力を受けて不本意な遺言を作成させられてしまう事例も考えられます。

このような事態が発生してても、他の相続人が問題に気づきにくい点もデメリットとして挙げられます。

また、問題というワケではないのですが、手続き上、自筆証書遺言は相続開始とともに家庭裁判所の検認が必要となります。

その為に、遺言書を発見した相続人には、通常の相続手続きに加え、家庭裁判に赴かなくてはならないという手間が増えてしまいます。(※法務局による遺言保管制度を利用した場合と、公正証書遺言による場合は、家庭裁判での検認手続きは省略されます。)

3.まとめ

ここでは、自筆証書遺言を作成するにあたっての、一番基本的な部分について、説明させていただきました。

しかしなら、実務上、極めて簡便に、遺言意思を残すことができる種類の遺言書である為に、そのことが原因で、無効な遺言書が残される場合も多いです。

場合によっては、間違った遺言書が残ることで、余計に相続人同士の手続きが混乱し、互いの心象を傷つける事すらあります。

次回は、もう少し、自筆証書遺言作成の実務的な注意点に焦点をあてて、お話をさせて頂きます。⇒遺言書の失敗で相続が混乱、自筆証書遺言の注意点

このように、相続・遺言を解決する当事務所では、様々な状況に合わせて、相続手続きや遺言書作成について、相続手続きサポートさせていただきます。

また、相続した不動産についてお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。⇒不動産相続 相続登記お任せプラン 

相続の開始から売却までのご相談にも対応いたしております。

なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

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