こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

さて、相続した不動産を売却して相続人同士で分配するためには、その前提として相続人名義への相続登記が必要になります。

ここで注意しておきたいのは、ただの相続登記とは違い、換価処分の場合だと、名義を相続人の誰にするか?という点で注意すべき問題が存在します。

本ページでは、不動産売却(換価分割)を前提とした相続登記について、説明をしていきます。

目次【本記事の内容】

1.売却前の前提登記が必要な理由

もしも何も登記を申請しなかれば、相続した不動産の名義は、亡くなった方のままになっています。

そして、今のところ、相続が発生してからといって、自動的に不動産の名義を変更をしてくれる行政サービスは存在しませんので、相続人自らが積極的に動いてもらって、名義変更をする手続き(相続登記)をしなければいけません。

では、換価分割の場合においてするべき名義の変更はどのような変遷をたどるのでしょう?

“被相続人→相続人(売主)→買主”という流れで変わっていきます。

もう少し、正確な言い方をすると、名義が変わっていくということは、“所有権”という民法上の“権利”が“被相続人→相続人(売主)→買主”という流れで変わっていきます。

しかし、ここでお客様にとって、いつも疑問が生じてきます。

「いやいや? 売買が済んで最後に買主がキチンと名義を取得すればいいいのだから、わざわざ間の相続人名義を経由する必要はないのでは?」と考える人もいるでしょう。

しかし、登記法の手続き上はそれは許されません。

なぜなら、登記簿には実体的な所有権の動きを正確に公示する目的があるため、中間の相続人の名義を省略することができないからです。

その目的としては、現在の不動産所有者がどんな経過を辿って所有権を取得したのか?公的な登記簿を見ることで、その流れ(履歴)がわかるようにしておいて、安心して不動産を取引することができるわけです。(※経済的信用性の担保のため。)

2.売却(換価分割)前の登記名義を誰にするべきか?

換価分割をする場合、登記名義を相続人の誰にするか検討が必要になってきます。

これには二つののパターンがあります。

  • ①売却代金を取得する割合で、各相続人に名義を割り当てる
  • ②売却代金は全員で分けるものの、便宜的に代表相続人1人に不動産名義を変更しておく。

それぞれ状況に応じた向き不向きがあります。

2-1.①パターン…全相続人名義の場合

まず、①のパターンから見ていきましょう。

まず、名義を売却代金の取得割合のとおりに変更する方法ですが、この場合に一番の問題となるのは売主が多人数になってしまうことです。

単純に売買契約時の手続きが煩雑になります。

売買契約書も相続人全員の連名が必要になり、残代金決済時の立ち会いも、相続人の全員が参加しなければなりません。

相続人の数が多いとなると、足並みをそろえるのが大変なため、手続きが進むのも非常に遅いです。

正直、あまりこの方法はお勧めできません。

しかし、下記の②のパターンでも説明しますが、売却のタイミングが先であったり、買主を見つけるのが長期に渡ることが想定されるなら、こちらの方法が良いときもあります。

2-2.②パターン…便宜的に代表相続人一人に不動産名義を変更しておく。

便宜的に代表相続人1人が売却手続きを任せることになるため、相続人が多数いる場合には有効です

ただし、この代表相続人に全ての一存を任せることになるため、相続人同士の信頼関係があることが大前提です。

また、売却に長期の時間がかかるときにも問題があります。

なぜならば、固定資産税も代表相続人だけに請求が来ることになるので、現状、売却までの当面の間、便宜上に名義を取得しただけなのに、何年も自分だけが固定資産税を支払い続けるのは難しいでしょう。

そのため、物件の市場価値を調査することにより、相続不動産が売却しやすい物件であるかどうかを先に把握しておくことで、この方法を選ぶかどうか、先に考えておく必要があります。

2-3.遺産分割協議までに売却代金の分割案を確定させる

換価分割の最終的な目的は、相続した不動産を売却して相続人同士で分配することにあります。

単に名義変更だけのご依頼なら、登記後の手続きの後を見据えた、上記のような検討をお願いすることはありませんが、換価分割の場合にはそう簡単にはいきません。

当然、あとで売却代金の割合について、話が不明瞭になるのを防ぐために、遺産分割協議でも、売却代金の分割割合を相続人間で決めておく必要があります。

まとめ

換価分割を目的とした手続きは非常に工程が多いので、今後もいくつかのポイントに分けて、換価分割による、相続不動産の売却についての情報をまとめていきます。(全体像については⇒相続不動産を売却して賢く資産を持替。換価分割(換価処分)するまでの流れ。

また、難しいことに取り組むのは正直ハードルが高いので、『とりあえず相続人全員の名義を変更して…。』という、登記依頼でも、弊所としては対応可能ですが、実際には、最初に方針を決めていただいて、相続の最初から出口までの総合事務を丸投げしてもらったほうが、無駄のない解決になります。

もしも相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。⇒不動産相続 相続登記お任せプラン 相続の開始から売却までのご相談にも対応いたしております。

なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

CONTACT

お問い合わせ

初回のご相談は無料です。まずはお気軽にご相談ください。
事前のご予約いただければ夜間・土日の無料相談も承っております。