こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

さて、遺産分割証明書という言葉をご存知でしょうか?

遺産分割協議書なら、聞いたことがあるという方も多いでしょうし、当ブログでも既に何回か紹介させていただきました。(※参照⇒相続財産の名義変更のための遺産分割協議書の作成

おそらく、このページへ来ていただいた方は、相続手続きについて、ご興味をお持ちの方かとおもいます。

あるいは、既に、他の相続人であるご親族や、委任を受けた司法書士から「遺産分割証明書」という表題の書類が届き、取り急ぎお調べらになられているのかもしれません。

ここでは、司法書士が実務上でよく使用する、遺産分割証明書について解説をしていきます。

※遺産分割協議証明書とも呼んでる先生もいらっしゃるのですが、とりあえず、ここでは遺産分割証明書という呼び方で説明させていただきます。

目次【本記事の内容】

1.遺産分割証明書とは?

結論から申し上げると、遺産分割証明書は基本的に遺産分割協議書と何ら変わりはありません。

効力に違いもありません。

どちらであっても、金融機関や法務局・税務署に見せることになった場合に、問題なく受理してもらえます。

そして、一点だけ違う部分があります。

「遺産分割証明書は相続人ごとに作成するために、全員分を集めてはじめて効力が生じる。」ということです。

通常、遺産分割協議書は、その書面に相続人全員が連名で署名捺印(実印)をして行います。

しかし逆に、遺産分割証明書の場合には、連名で署名捺印をする必要がありません。

例えば、相続人が母親・兄弟2名の合計3人がいるとして…、

署名欄を空欄にした同様の内容の遺産分割証明書3通を作成し、相続人全員が各自で署名捺印した遺産分割証明書3通を合わせることで、遺産分割協議が成立したことになるのです。

つまり、メリットとしては、遺産分割協議書と違い、各相続人が別のタイミングで署名捺印をすることが可能ですので、わざわざ全員が集まって協議をする必要が無い点が挙げられます。

1-1.遺産分割証明書の見本

遺産分割証明書の見本は以下です。
基本的な書類構成は遺産分割協議書と変わりはありませんが、あえて言えば、タイトルと赤字の部分が通常の遺産分割協議書とは異なる部分でしょうか。

[事例:被相続人山田太郎、相続人山田花子、山田次郎、山田三郎]

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遺 産 分 割 証 明 書

被 相 続 人 山田 太郎
最 後 の 住 所 大阪市北区○○一丁目2番3-456号
最 後 の 本 籍 京都府京都市□□町一丁目23番
死 亡 日 令和3年11月22日 

被相続人山田太郎死亡により相続が開始し、共同相続人全員により遺産分割協議を行った結果、後記のとおり遺産分割が成立したことを証明します。 

一. 被相続人名義の下記不動産は、山田次郎が相続する。

一.被相続人名義の下記の預貯金債権及び有価証券等については、すべて換金のうえ、相続人山田三郎が金1000万円を相続し、残った預貯金債権については、相続人山田花子が相続する。

[不動産の表示]

所  在  大阪市北区○○一丁目
地  番  2番3
地  目  宅地
地  積  100.23

所  在  大阪市北区○○一丁目
家屋番号  2番3
種  類  居宅
構  造  木造瓦葺2階建
床 面 積  1階 60.00㎡
      2階 45.00㎡

[金融機関等の表示]
(1)ゆうちょ銀行に有する預貯金債権(普通預金・定期預金等)のすべて
(2)三井住友銀行○○支店に有する預貯金債権(普通預金・定期預金等)のすべて
(3)UFJ銀行△△支店に有する預貯金債権(普通預金・定期預金等)のすべて

二.その他の財産及び債務について 

本協議書に記載のない遺産及び後日遺産が発見された場合は、当該遺産について、相続人間で改めて協議し、分割を行うものとする。 

令和3年12月24日 

【相続人 山田次郎 の署名捺印】 

(住 所)  

(氏 名)

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上記を見ていただけるとわかりますが、署名捺印をする欄が一人分しかありません。

これは、相続人山田次郎の分の遺産分割証明書だからです。

つまり、他の相続人鈴木美香の遺産分割証明書の分と2通合わせることで、遺産分割の協議が成立したことになります。

そして、このように遺産分割証明書の場合だと、相続人全員が連名で署名捺印をしなくてもよいために、各相続人(上記事例では鈴木由佳と鈴木美香)が揃って記入して、書類を順番にまわしながら書き込む必要がありません。

今回は相続人がたった3名しかいないケースでしたが、相続人が多ければ多いほど、遺産分割証明書のメリットを感じられるはずです。

例えば、親族がかなりの大所帯で、相続人様が10名~20名もいたら、遺産分割協議書に、全員の署名捺印をもらうのはとても大変です。

そもそも全員が同時の集まること自体難しいでしょう。

これが遺産分割証明書であれば、各相続人に一斉郵送して返送を待てばそれだけでいいわけです。

司法書士のような専門家が、遺産分割協議書ではなく遺産分割証明書の形式をよく多用しているのは、このように非常に使い勝手がいいからです。

1-2.遺産分割証明書のデメリットは?

上記では遺産分割証明書のメリットについて書きましたが、便利な反面、デメリットもあります。

普通の遺産分割協議では、相続人全員が集まって「協議(話し合い)」をしたうえで署名捺印を行うのですが、逆に、遺産分割証明書の場合にはその機会が持たれないことが大半です。

この点が、便利である反面のデメリットと言えます。

つまり、全員が顔を合わせない為に、協議内容の周知という面で、すれ違いが発生する恐れがあるのがデメリットになります。

事前によく話し合い、遺産分割内容に全員が応諾しているのなら問題はなありませんが、話し合いがまた途中でまとまっていない場合には、先にしっかりと協議をまとめることが必要になります。

遺産分割証明書の形式を使うのなら、事前に相続人間の意見をまとめて、調整した後に各相続人へ発送するようにするべきでしょう。

そうでないと、遺産分割内容に納得しない相続人が出てきて、協議が成立しないままになってしまいます。

2.遺産分割証明書が送られてきたら?

この記事をご覧になられている方は、今現在、「遺産分割証明書」のタイトルを示した書類が届いており、少々、不安に感じられているかもしれません。

しかし、基本的には遺産分割協議書と変わりはありませんので、心配せずに手続きを進めていただいて大丈夫です。(※遺産分割の内容にご納得いただいているなら。)

前述したように、遺産分割証明書が相続人全員分が揃わないと遺産分割協議の効力が生じないため、相続人の返信が一人でも欠けると、相続手続きが一切進まないことになってしまいます。

普段のお仕事や生活が忙しく、つい返送が遅れてしまうかもしれませんが、自分が対応しないことで、他の相続人にも迷惑がかかってしまいます。

また、あまりに返事が遅いと、親族間に不要な不信感が発生することも多いです。

遺産分割の内容に承知しているのなら、なるべく早く対応するようにしましょう。

3.まとめ

相続を専門とする当事務所では「遺産分割証明書」を実務でかなり使用することが多いです。

これから遺産分割や相続手続きを進めたい方や、依頼できる事務所を検討されている方など、相続のことでお悩み・お困りでしたら是非当事務所へご相談ください。

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