こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

さて、被相続人が亡くなった際に、相続人の中に未成年者がいる場合があります。

相続の発生は、ご高齢の方が亡くなるのが一般的なケースですが、中には交通事故等で若くして亡くなる方もいらっしゃいます。

また、被相続人自身が若年層でなくとも、高齢相続で最初の相続手続きを放置していたまま、二次相続が発生し、結果的に、未成年者も遺産分割協議の当事者になってしまうケースもございます。

これらの場合に、未成年者の相続人がいる相続が発生します。

おそらくご承知の事かと思われますが、未成年者は遺産分割協議に参加することができません。理由としては、遺産分割もまた立派な法律行為である為に、未成年者は法律行為ができないからためです。

基本的に未成年者に代わって法律行為を行うのは親権者(又は法定代理人)ですが、多くの遺産分割協議の場合、その親権者まで遺産分割の当事者に含まる可能性が高くなります。

その為に、未成年者である子とその親権者が当事者同士という事になり、親権者が子の代わりに遺産分割協議を行うことは利益相反行為になってしまいます。

つまり、多くの相続の場合、親権者は未成年者に代わって遺産分割協議をすることができなくなっています。

ここでは、相続人同士の中で、未成年者がいる場合の手続きについて説明を進めていきます。

目次【本記事の内容】

1.特別代理人の選任申立て手続き

遺産分割協議時に未成年者がいる場合どうしたらいいのか?

このような場合、遺産分割協議をする相続人は、家庭裁判所に対して特別代理人の申立てを行います。

この、特別代理人の申立ては、未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。

良く勘違いされるのですが、特別代理人になる候補者の側の住所地ではないことに注意してください。

【特別代理人の選任申立て】に必要な書類一覧

  • 1.特別代理人の選任申立書
  • 2.未成年者の戸籍謄本
  • 3.親権者の戸籍謄本(子供と同一戸籍の場合は1通で兼ねられます)
  • 4.特別代理人候補者の住民票
  • 5.「遺産分割協議書(案)」

※申立費用として、未成年者1人あたり800円(収入印紙)と郵送費用としての切手が必要になってきます。

2.特別代理人候補を決めておく

冒頭でもご説明したように相続の場面で未成年者がいる場合には、未成年者の親権者(父や母)が共に相続人となってしまう場合が多いために、親権者と子供の利益が相反し、親権者が子の代わりに遺産分割協議を行うことは法律違反になります。

そこで、家庭裁判所に未成年者の代理人となる特別代理人を選任してもらうことが必要となります。

特別代理人の選任の審判の申立ての申請書には、あらかじめ特別代理人の候補者を記載しなければならないので特別代理人の候補者は前もって決めておく必要があります。

基本的に“相続人以外の成人”であれば特別代理人になることができます。(遺産分割によって直接の利益を受ける人でなければ大丈夫です。)

例えば、子供から見た祖父・祖母にあたる人が特別代理人になるケースはかなり多いと見られます。

また、必ずしも親族でなくてはならない条件もありませんので、知人や近所の方でも問題はありません。(※遺産分割の内容を知られてしまうので、それを避けたいなら親族に頼んだ方がいいです。)

そして、家庭裁判所で特別代理人の選任が認められると“特別代理人選任審判書“なる証明書が発行されます。

3.より重要なのは遺産分割協議書

さて、前項までは特別代理人自体のことをお話しました。

しかし、実は本質的には未成年者がいる遺産分割協議において、より重要なことは特別代理人を誰にするかというのは、実務上、それほど大きな問題ではありません。

あくまでも、手続き上必要であるのは確かなのですが、より問題になってくるのは、家庭裁判書に提出する遺産分割協議書(案)の作製の方です。

端的に言ってしまえば家庭裁判は、特別代理人が誰であるかの部分ではなく、遺産分割協議の内容そのものを注視していると言えます。。

そして、この遺産分割協議書(案)は、家庭裁判所に対して特別代理人選任の申立時に同時に提出する書類なのですが、家庭裁判所はこの遺産分割協議書(案)を見た上で、特別代理人の選任を受理をするかを判断します。

3-1.どんな内容の遺産分割協議案にするべきか?

まず前提として、家庭裁判所は未成年者の権利を奪うような内容の遺産分割協議書(案)に対して非常に慎重な判断を下します。

そもそもの特別代理人の制度として、子供は遺産分割する能力がないわけですから、法律上の相続分は最低限でも子供に確保すべきではないかと考えるからです。

しかし、ここで相続した財産の中に不動産がある場合は別の問題が発生します。

二次相続対策や、売却を予定しているのでなければ、普通に考えて親に名義変更をするのが妥当であるため、子供の名義、ましてや一足飛びに孫や未成年者の名義に変更をするなどとは考えられません。

さりとて、この場合となると、上記の未成年者が法定相続分を受ける権利を失う結果となりますので、家庭裁判所に対しても、親に名義変更をする為の合理的な理由を示さなければなっているのです。

おそらく、単純に不動産を親名義に変更をするだけの遺産分割協議書案を作成してしまうと、家庭裁判所としても、どうしてこのような内容にしてしまったのか照会せざると得ないでしょう。

この合理的な理由の説明の仕方は様々ですが、実務上は遺産分割協議書案の中に、その理由も一緒に記載してしまうことが可能です。

この遺産分割協議の書き方は、特別代理人を選定する場合の、ある種イレギュラーな表現といえるので、普通の遺産分割協議書の書き方とは少し違ってきます。

次回のテーマで、この点、特別代理人を選定する場合の遺産分割協議の書き方として、取り上げつつ、具体的に記事を書きたいと思います。⇒遺産分割協議時に未成年者がいる場合どうしたらいいのか②?

まとめ

未成年者が遺産分割に出てくると、相続手続きには家庭裁判所の関与が必要になります(単純な法定相続登記の場合を除く)。

そして、不動産の相続登記に関して言えば、家庭裁判所からの特別代理人選任審判書の添付がなければしなければ、遺産分割協議書を用いた相続登記は絶対に受理されません。

しかし、相続手続きを専門とする当事務所なら、このような家庭裁判所の手続きも含んだ、登記手続きまでを一括してお任せいただくことができます。

未成年者がいる場合の相続手続きでお困りであればまずは当事務所までご相談ください!

また、相続の開始から売却までのご相談にも対応いたしております。

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なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

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