こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

単純に法定相続分割合いで相続する場合とは違い、被相続人の遺産を相続人同士で分け合うのが遺産分割です。

例えば不動産の他に預貯金などがあれば、「母親には不動産、息子には預貯金を。」といったように、遺産を分け合う方法があります。

しかし、実際には相続が始まった後に、調査してみると、被相続人の財産が不動産しかない場合も多いです。

そして、この場合、不動産を相続人でどのように分け合えばいいのかが問題点になってきます。

まさか!?物理的に家を真っ二つにする!?

なんてワケには当然行きません。

どのようにして遺産分割すればいいのでしょうか?

ここでは、相続財産が不動産だけしかなくてうまく分け合うことができない場合の遺産分割の3つの方法をご紹介していきます。

目次【本記事の内容】

1.共有不動産にする。

あえて遺産分割することなく、法定相続分で持分を分け合ってしまう方法です。

当然、物理的に家を分割することはできません。しかし、不動産を持分として所有することは可能です。

いちばん簡単な例で説明してみましょう。

被相続人が父で母と子供二人のご家庭で、相続が始まる以前に家の名義が父親単有名義だったとします。

この場合、父が亡くなれば、母が4分の2で子供二人が各4分の1の法定相続分になります。

そして、登記も単純にこの持分で済ましてしまう形になります。

結果として、母が4分の2で子供が4分の1ずつで不動産を所有することになりますので、一見、遺産は綺麗に分け合えた感じはします。

1-1.共有による大きなデメリット

上記のように、法定相続分で持分を分け合ってしまう方法は、処置としては簡単ですが、その反面でいくつか大きなデメリットも存在します。

まず、この方法だと、共有になってしまうので、権利関係が複雑になってしまいます。

たとえば、その建物を売却(処分行為)する場合には、その共有者全員の同意が必要となり、実際に売却に話を進める際には、なかなか手続きが進みません。

また、持分のみの売買の場合は単独で可能ですが、一つの不動産の権利関係に、赤の他人を引き入れ込むのはかなり危険な行為です。

他の共有者親族と、その不動産の管理・処分方法について意見の相違が拡大し、結果的に紛争に繋がる可能性が拡大します。

賃貸(管理行為)する場合も、共有者の過半数の同意が必要で、法的に共有している状態であっても、だれが実際に誰が住んで固定資産税の支払いなどの管理責任を負うのかも問題になってきます。

また、この共有状態で共有者の誰かが死亡した場合、当然、その死亡した共有者の相続人がさらに共有持分を相続することとなります。

こうなっていくと、直系卑属がいる限り連鎖的に共有者が増えていきますので、代を重ねる毎に血縁関係が遠くなり、関係も疎遠になっていくので、その時点で遺産分割協議をしようにも、収集がつかなくなってしまう事態に発展します。

結果、いざ、不動産を処分しようと考えたときに、処分をすることができなくなってしまうのです。

結論として、この方法は遺産分割の解決を先延ばしにしているだけなので最終的な解決にはなっておらず、望ましい方法とはいえません。

2.相続人の一人が不動産を相続し、他の相続人に金銭精算する

相続した不動産に、これからも相続人の誰かが住み続ける際に効果的な方法です。

一般的に、相続人の中に高齢の方がいらっしゃる場合だと、いま住んでいる家から出たくないと考える方も多いです。

しかし、住み続けるということは、他の相続人にも納得してもらう形にしなければなりませんので金銭で精算してしまおうという考え方です。

この方法を使えば、いま相続不動産に住んでいる相続人は出ていく必要はありませんし、また他の相続人も金銭で精算を受けることで納得できて遺産分割をうまく進めることができます。

2-1.支払い代価を準備できるか?

上記の通り、この方法は、不動産を相続した相続人が、他の相続人に対して、それぞれの法定相続分に応じた金銭を支払わなければなりません。

この場合のデメリットは、不動産しか相続財産が無い以上、不動産を相続する人に、その金銭代価を用意することができるのかが問題になってきます。

また、金銭を用意することができるにしても、その相続不動産をどのように評価すればいいのかが問題となります。

時価(不動産業者の査定)でやるのか?

固定資産税評価額なのか?

また路線価で評価するのか?

または、不動産鑑定士に鑑定評価を出してもらうといった方法もあります。(※当然、別途、不動産鑑定士への報酬費用が掛かります。)

相続人の全員が、少しでも納得できる評価方法を吟味する必要があります。

3.換価分割-不動産を売却してお金で分け合う方法

最も公正かつ適正な方法です。この方法は相続人の誰かが売却を拒まない限り行うことができるので最も使い勝手のいい方法です。

実務上でもこの方法が一番よく使われています。

登記上の手続きとして、売却する為に、一旦、相続人登記名義を移します。一般的に、売却活動を行う代表相続人の一人の登記名義にするか、法定相続分の登記を行って相続人全員で売却活動を行うなどの方法を選びます。

売却して相続分で分け合うことができれば、どの相続人からも文句がでてくることはありませんし、お金で分け合うのが最もスマートな方法です。

また、売却してしまえば、今後固定資産税等の維持費が発生しなくなるので、相続人の金銭面の負担もなくなります。

3-1.売却に向けた事前準備が全て。

この方法の問題点があるとすれば、まず、相続不動産が売却可能な物件であるかどうか、早期に調べておく必要がある点です。

あまりに過疎化が進んだ地方の物件であったり、土地の種類や法令上の関係で、そもそも売却できない物件も存在します。

その為に、相続手続きの初手で調査を進めておく必要があります。

次に、この方法は、物件が売却可能であったとしても、相続人の全員が、売却することに合意しているが前提になってきます。

相続手続きが終わるまで、全員が協力し合って話を進めていく必要があります。

4.状況に応じた方法を選択する。

上記のように幾つかの遺産分割の手段があるのですが、当然、各ご親族様の状況に応じた方法を選ぶことになります。

大まかな選択基準選択としては、下記を参考にしていただければ良いかと思います。

①共有状態だけは回避する。

まず、“法定相続分の共有状態にする方法”ですが、これは、上記にてデメリットとして説明したように、遺産分割の問題の先延ばしにしかなりませんので除外して頂いたほうがいいでしょう。

②相続人全員に売却の意思があるか?

次に相続人全員で売却意思の合致があるかで判断します。

仮に誰か一人でも売却を拒んだら手続きは進めなくなってしまいますのでまずは全員の意思を確認します。

③売却しない場合には相続人から管理者を決める。

もし、売却することができないとなれば、あとは金銭での精算方法で進めていくこととなります。

また、ご家族の思い入れが強い不動産であるとして、相続後に管理していくのも立派な選択肢だと思います。

上記のように、ある程度、考え方の順番がありますので、まずはご自身で、どの方法が一番適しているのかを検討して進めるといいでしょう。

5.まとめ

本ページでは3つの分割方法をご案内してきましたが、実務上は3番目の換価分割の方法を採用することが多いです。

換価分割の方法であれば、最も相続人間で不公平間がなく、また使われなくなった実家の管理も誰もしなくて済むので、非常に有用な相続の解決方法であることは間違いありません。

もし、相続後の不動産の手続きでお困りのことがありましたら、是非、当事務所までご相談ください。

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