こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

ある日突然、全く知らない司法書士事務所や、疎遠であった親族から“相続に関する手紙“が届くことがあります。

通常、日常生活でこういった書類が届くことはほとんどないかと思います。

今回の記事では、相続に関して、突然、司法書士や親族等から相続の連絡が届いた場合に、どのような対応を取るのが良いのか説明したいと思います。

相続発生の連絡を送ってくる理由

連絡を発信した親族や司法書士は、相続の発生ついて、単なる思い付きで、相手方に連絡を発信しているわけではありません。

特に、司法書士事務所から連絡が来た場合は、必ず手紙を送った司法書士に相続業務を依頼した相続人がいます。

この場合、無関係な人に司法書士を使ってまで連絡を送ることはありませんので、手紙等が届いたあなたは同じ被相続人(亡くなった方)に連なる、共同相続人である可能性が非常に高いです。

また、司法書士が連絡を発している場合は、依頼者から聞いた情報だけで手紙を送ることは、まずあり得ません。

被相続人から共同相続人全てに連なる戸籍謄本を取得し、その網羅的な内容から相続人を確定し、書類上も相続人と確定できる方に連絡を発信します。

つまり、手紙が送られてきたあなたは、確実に相続人だと考えて間違いありません。

※住所を自分から教えていない場合であっても、司法書士は職務上の範囲で「戸籍謄本」や「住民票」を取得できますので、司法書士が職権取得した情報を基に連絡をしてくることができます。

相続手続き上の司法書士と相手親族の立場

司法書士の相続手続き上の立場について簡単に説明すると、この点で、弁護士とは大きく違い、司法書士は紛争性のない相続手続きの調整役を担いますので、なるべく争いを起こさず平和的に遺産分割を行いたい相続人が司法書士へ依頼することになります。

司法書士は、主に登記を業務とするので、相続財産に不動産があった場合、司法書士に相続した不動産の名義変更を依頼される経緯で、疎遠であった親族にコンタクトが必要になるケースが多々あります。

こういった意味で、弁護士に依頼する場合と異なり、司法書士事務所への依頼者は争いを起こそうと思っていないことが特徴です。

また、相続不動産の名義変更で、親族自らが連絡を取ってくる場合も、基本的には司法書士が連絡をとってくるケースと、ほぼ同じで、紛争性のない相続手続きのお願いであることが多いです。

この場合でも、司法書士へ相談をしたうえで、相続人が手紙を書いて送ることが多いです。

例えば、当事務所でも「先生が案内を用意して送ってもらえませんか?」と相談を受けることは多々ありますが、何点かの理由で、できる限り相続人自身が手紙を書くことをお勧めしています。

  • 司法書士事務所から手紙だと、借金等の別の問題と思われ開封前に無視される。
  • 司法書士の名前を見て、“とにかく関わりたくない”と考える人が一定数いる。
  • 相手方も専門家に相談した方がいいと考えて弁護士等へ相談されてしまう。
  • 親族同士の距離感によっては、手紙のやり取りの方が無視される確率が下がる。

何よりも相手方への情報発信について、大事なポイントは“揉めない事”です。

紛争事務を扱わない司法書士事務所とは言え、封筒をみるだけで弁護士との区別がつない方、とにかく恐怖を感じてパニックになる方がいるのも事実です。

そういった状況が懸念される場合は、専門家に相続の連絡を書いてもらうより、相続人自身が手紙を書くべきだと考えます。

相続の発生を告げる連絡の内容

司法書士や、手紙を送ってきた親族が、相続について連絡を発した理由は何よりも…、

“共同相続人の○○様(あなた)に相続手続きを協力してもらいたいから。”に他なりません。

相続手続きは法律上、共同相続人の一人でも欠けると全く手続きを進めることができなくなるからです。

特に、遺産分割協議は共同相続人全員で行わなければ無効であるため、絶対に相続人全員の合意を得なければなりません。

その為、もし手続きを無視してしまうと、他の相続人が困ることになります。

この点、「自分一人くらい何もしなくても良いのでは?」と考えるのは大きな問題です。

一人でも手続きに協力してくれない相続人が現れると、相続手続きは全て完全にストップしてしまいます。

司法書士・親族の手紙を無視し続けたら??

では、司法書士や相手方親族から届いた、相続に関する連絡を読まずに捨てたり、無視し続けたらどうなるでしょうか?

  • 「とにかく関わりたくない。」
  • 「司法書士からの連絡など怖いから無視したい。」
  • 「遺産なんていらないから返事したくない。」
  • 「疎遠な親族相手など、仲良くないから放置しておこう。」
  • 「単に忙しいから面倒くさい。」

率直に言って、いろいろなお気持ちがこみ上げてくるかとはおもいます。

逆に、「思わぬタイミングで遺産がもらえて嬉しい!」と思うような方も中にはいらっしゃいますが、実際は、突然の訃報と連絡に驚かれる方の方が多い印象です。

しかし―、

それならそうと、相続の連絡を無視し続けた場合には、どのような結果が待っているのでしょうか??

結論-最終的に裁判沙汰(調停・審判を含む)になります。

理由は、先ほど説明したように、相続人全員が協力しなければ相続手続きが止まってしまいますからです。

当然、遺産分割もできず、財産が凍結されるに等しい状態になるのですから、強制的な介入の必要性が発生します。

その方法として挙げられるのが、「家庭裁判所」を使った調停・審判です。

当事務所でも、手紙を無視し続ける相続人に対する対応策として、弁護士へ依頼して次のステップ(調停)へ移行します。

そうすると、次は弁護士事務所から遺産分割協議に応じる要請が打診されるのですが、場合によっては、いきなり家庭裁判での調停が始まる場合もあります。

いずれにしても、最終的に法的措置を以って、相続問題として解決するしかなくなってしまうのです。

そのため、例えどれだけ忙しくご面倒でも、手紙を無視することに何もメリットはありません。

やるべき事は3つ

それでは具体的にどうすればよいのか?

相続手続きは多岐に渡りますが、まず、司法書士や相手方親族への対応として、基本的にそう多くはありません。

取るべき連絡としては以下の3パターンに分かれるでしょう。

  • ①全面的に協力する連絡をする。
  • ②詳しい情報を送って欲しいとの連絡をする。
  • ③相続放棄したい旨の連絡をする。

まず、初手の司法書士の手紙の内容から状況を把握できて、全面的に協力して問題がないとご自身で判断できる内容であれば、その旨の連絡をそのまましてください。

その後は、案内を送ってくれた司法書士が、今後の手続き方法を教えてくれるはずです。

次に、内容が不明確であったり、遺産の分け方を決めるにしては情報が足りないと感じる場合には、まずは手紙を送った親族や、司法書士事務所に、その旨を率直に伝えるほうが良いです。

自分の意思がどのようなものであるかを、明確に伝えた方が、無視をするよりはまだ良いです。

この場合は、一旦、当事者同士で、相続財産の内容をすり合わせして、全員が納得できる内容で遺産分割協議を完成させていく工程に進みます。

最後に、もし相続放棄をしたいのなら、その申出をしてください。

相続放棄は自分自身でやることも可能ですし、手紙を送った司法書士へ、直接お願いすることも可能です。

弁護士に頼むのはどういう場合か?

司法書士や相手方親族からの手紙に対して、自分で対応することができない。

もしくは、直接的に、親族同士で話し合いをする気になれない場合は、弁護士へ交渉や話し合いを依頼するのも一つの方法になります。

ですが―、

基本的に弁護士さんへ交渉を依頼するのは、紛争解決の手段として動いてもらう事が目的とされるので、揉め事を避けたいと考えているなら、いきなり弁護士へ依頼するのではなく、自分自身で話をした方が絶対に良いです。

また、司法書士も弁護士が介入したこと時点で依頼から手を引いてしまう結果になります。【※遺産分割合意の不成立による、弁護士法抵触への回避の為。

そうなると、当初から相続についての情報を取りまとめていた、相続手続きの調整役が不在となってしまいますから、手紙を出した本人サイドも、弁護士を立てざるを得なくなります。【※司法書士が弁護士に引き継ぐ。】

そして、結果的に、弁護士対弁護士になると、双方で時間も費用もかかりますので、何のための手続きであったのか?

何のメリットがあったのか?全く分からない相続手続きになることもあり得ます。

この点、少し難しいですが、逆に言うと、手紙や、相続の連絡が最初に届いたたときに、その発信者が司法書士や一般人ではなく、弁護士であることが分かる場合であれば、こちらもスグに弁護士に相談されることをお勧めします。【※いきなり調停を提起されている可能性もあるので。】

まとめ

いずれにしても、司法書士や相手方から手紙が届いた場合、慌てず冷静に対応するのが大切です。

もしも、手紙や同封されている内容が読み取れないのなら、まずはその司法書士に聞いてみてください。どの司法書士でも丁寧に対応してくれると思います。

或いは、司法書士と話をするのに気が引けるのなら、直接、相続人とコンタクトを取っても良いと思います。【※無視や音信不通よりは絶対に良いです。】

手紙が届いて不安に感じているかもしれませんが、争いの方向に進んでしまうような行動は絶対にお勧めできないです。

相続するにせよ、相続放棄するにせよ、何よりは先ず、正確な状況把握が一番重要なので、まずは発信者の司法書士や相手方相続人に連絡をして話を聞いてみるのが優先事項だと思います。

当事務所では、このように、相続・遺言を解決する当事務所では、様々な状況に合わせて、相続手続きや申立書類作成について、サポートさせていただきます。

今回の記事のような事例でお困りでしたら、なるべく早期にご相談ください。

一括して手続きをサポートさせていただきます。

なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

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