こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

相続が発生すると、被相続人が使われていた銀行口座で、これまで引き落とされていた光熱費や水道代、生前までの入院費等の病院代を、どのように精算すればいいのかが問題となります。

ここでは、相続手続きの中での、故人の光熱費等の精算について説明していきたいと思います。

目次【本記事の内容】

1.生前の各種代金(光熱費・水道代・家賃など)の支払い

一般生活上、通常、どのご家庭でも家賃や水道光熱費はかかります。

これらの費用について、被相続人の方が、亡くなる前までに、全ての清算をご自身で済ますことは、まず不可能ですから、通常は若干でも、各種の支払いが残ることになります。

そして、これらの支払い(債務)もまた、被相続人の相続財産に当たりますので、各相続人が相続分の割合で支払義務を負うこととなります。

また、これらの支払いを銀行の口座引落としで行っていた場合、銀行口座が死亡により凍結し、何もしないでいると生活上のライフラインが停止されてしまいます。

もしも、被相続人の方と一緒に生活をされていたのであれば、解約の手続きだけでなく、これら契約の引き継ぎをするために、預金通帳の取引明細を確認して定期的に引き落としされている項目を洗い出し、契約各社に対し、死亡の届出を行うとともに各種契約名義の変更手続きを行っていきます。

手続き時を行う上で、死亡の記載がある戸籍謄本や、被相続人との相続関係がわかる戸籍謄本の提出(詳しくはこちらを⇒登記事項証明書(登記簿謄本)とは?取り方と全部事項証明書との違い。)を求められることもありますので、あらかじめ準備しておくといいでしょう。

①電気、ガス、水道、NHKなど…各社のお客様窓口に死亡の連絡をします。未払料金を精算して契約変更手続きを行います。

②自宅の固定電話、携帯電話、プロバイダなど…各社のお客様窓口に死亡の連絡をします。各社の手続き方法を聞きながら来店したり郵送のやり取りにより手続きを完了させます。

③クレジットカード…複数のカードを持っている可能性がありますので、亡くなった人の財布の中や、預金通帳などで契約しているカード会社特定し、死亡の手続きをします。

④スポーツクラブや習い事等の会員…毎月の月謝や会費の引き落としがあれば通帳で調べることができます。会員カード等があればどこから問い合わせ先が判明することができます。

2.医療費の支払いについて

■医療の支払い
 医療費の未払いがある場合は相続人が支払うこととなります。

■高額医療費の還付請求
 被相続人の医療費の1か月の自己負担額が、所得状況に応じて定められる一定の額(自己負担限度額)を超えたときには、その超えた分の金額は高額医療費の支給を申請できます(健康保険法105条、国民健康保険法57条の2、高齢者の医療の確保に関する法律84条)。

この手続きは各相続人が申請することができます。

健康保険法(高額療養費)

第105条 療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。

国民健康保険法(高額療養費)

第57条の2 市町村及び組合は、療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費として支給される額若しくは第五十六条第二項の規定により支給される差額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付、保険外併用療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給若しくは特別療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。

高齢者の医療の確保に関する法律(高額療養費)

第84条 後期高齢者医療広域連合は、療養の給付につき支払われた第六十七条に規定する一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。以下この条において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費として支給される額若しくは第五十七条第二項の規定により支給される差額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の支給を受けた被保険者に対し、高額療養費を支給する。


引用:健康保険法105条国民健康保険法57条の2高齢者の医療の確保に関する法律

◇相続人自身の確定申告における医療費控除(所得税法73条)
 被相続人の死亡した後に入院加療期間の医療費を請求されて相続人が支払った場合、被相続人が治療等を受けていた時に、相続人と生計が同一であれば医療費を支払った相続人の医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象となる金額は、下記の式で計算した額になります。

(実際に支払った医療費の合計額ー①の金額)-②の金額(最高で200万)

①保険金などで補填される金額…生命保険契約金などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など。

②10万…その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額。

所得税法(医療費控除)

第73条 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。

引用:所得税法73条

2-1.支払い後は領収書を保管

被相続人の医療費や生前の被相続人の生活費を相続人の誰かが立替で支払った場合、必ずその領収書を保存しておいて下さい。

逆に言えば、領収書を保管しておかないと、被相続人の債務を立替て負担したにも関わらず、相続財産から返済をうけることが出来ず、立替えた相続人の負担となり損になってしまいます。

また、いくらお互い相続人が、親族同士だからといっても、相続財産について曖昧な状態になってしまうと、金銭的な面でしこりを残すことにもなりかねないので注意しておくべき事柄です。

3.まとめ

故人様の死亡後の生活上の事務処理を総じて、死後事務といいます。

ここで説明させていただいた、病院代の清算や水道光熱費の清算も死後事務に含まれます。

亡くなってすぐは役所の届けや葬儀の対応、その他の事務手続きなど、やることが山積みで、その後の法的な相続手続きまで、考えることは難しいかもしれませんが、いざ死後事務が落ち着いた頃には、大変な手続きが待ち構えています。

葬儀などが一段落したと思っても、そこからやることは多いです。

相続の分野に特化した当事務所では、相続手続きを一括してお受けすることができる事務所です。

わからないことを調べながら進めていくよりも、最初から専門家に任せてしまう方が合理的でスムーズな解決方法であることは間違いありません。

もしこれから相続手続きを依頼する事務所をお探しでしたら、是非、当事務所へ相談することをご検討ください。

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