こんにちは!枚方の司法書士、尾花健介です。

相続した不動産を使用しない場合、固定資産税や、マンション等の管理費用等は、たとえ相続人が住まない場合でも無条件で発生してきます。

使用していないのにお金を払い続けていくのは大変ですし、また不動産は使用していないと一気に劣化が進みますので、修繕費用も馬鹿になりません。

そういった理由から故人が使って空き家となった不動産を売却する相続人の方は多いです。また、そういったご相談も非常に多いです。

ここでは、相続した不動産を売却したい場合はどのような準備や手続きが必要なのか?

前回、書いた記事⇒相続不動産の売却についてのメリット・デメリット  の続きになる論点をまとめてみました。

目次【本記事の内容】

1.普通の不動産売却と違う点。

不動産を売ろうと考えるキッカケは様々なものがあります。

例えば、転勤が発生した、家族が増えて手狭になった、などなど…。皆様としても、様々な事情があって不動産売却を検討されます。

その中でも、『相続が発生したことで売却をしようと思った。』これも、非常に多い売却理由です。

しかし、相続が発生した場合だと、何点か普通の売却と違った注意点が出てきます。

自分が使っていた家を売るわけではありませんので、どんな故障箇所があるか、権利証の所在、境界の問題など、全く状況がわからないところからスタートするからです。

また、相続人が自分一人だけではない場合、売却後に手にしたお金をどうやって分配するか等、事前に問題点を整理してから売却を進めていくべきです。

1-1.前提として、先に相続登記をしておく必要がある。

まず、元々の所有者であり、名義人でもある被相続人の名義から相続人の名義に変更しなければなりません。

正確には名義変更とは呼ばず、不動産の相続による“所有権移転登記”というのですが、この移転登記をしないことには、相続人から新しい買い手になる方に、所有権の名義を移すことができません。

売買契約をする上でも、単純に、登記名義人でない人から不動産を購入する人はいませんので、必ず相続を原因として相続人に所有権が移転したことを、登記簿上にも公示しておく必要があります。

1-2.売却する不動産の残置物を整理しておく。

前項の、法的な手続き以外に必要な事として重要なのが、不動産内にある遺品などの残置物処理です。

被相続人が亡くなる直前まで使用していた場合だと、部屋の中は生活していた時のままとなっていることが多いでしょう。

相続不動産を売却する前提としましても、そういった不動産内の荷物を整理し、処分してからでないと、当然、売却しにくくなります。

直接、個人の買手が付いた場合だと、嫌がられることにもなりますし、例え、不動産業者に売却する場合でも、それらの処分費用や手間などの加算によって、売却価格が安くされる可能性もあるでしょう。

そのため、売却に先立っては、先に、不動産内の遺品や荷物の整理しておいた方がスムーズに売却が進みます。

ある程度の費用は掛かることにはなるでしょうが、遺品整理業者さんに処分を頼むなどして、短期間で相続不動産の整理することも可能です。

1-3.土地の境界や、道路の使用権を確認しておく。

 不動産業者や司法書士に依頼が済んでいる場合は、それほど気にする必要は無いのですが、相続不動産を売却する場合、物件に対する正確な測量をして、隣の土地との境界調査をする必要があります。

また、売却する不動産に接している道路等の持ち主や、使用権の確認も進める必要があります。

例えば、売却不動産の近隣道路が、他の持ち主さんとの共有であった場合などは、その使用について、他の共有者の方の許可が必要である場合もあります。

これらのことを、一点、一点ごとにクリアしていかなければ、売却することが難しくなります。

2.売却を見越しての、相続手続きが必用。

前項までの内容のように、相続不動産を売却する場合の注意点は意外に多いです。

手続き等と同様に、意識しておきたいのは売却の価格ですが、不動産は全く同一のものがないという特性上、例え、一般的な相場の値段があったとしても、その値段で売れないときもありますし、その逆もあり得ます。

また、売却する地域の特性によっても変わってきます。

例えば、都内などでは、更地にしてしまったほうが売却しやすいことが多いのですが、逆に、地方の物件だと、建物が残っていた方が買手にとっては有難いケースもあります。

このように不動産の売却に関しては、その価格だけではなく、売却の時期や立地、さらには、地域性や近隣住民との関係も重要になってきます。

特に相続によって不動産の所有者になった場合だと、これらの状況を知らない状況から、売却を検討しなければならないので、相続手続きの初手の段階で、売却の方針に従った、不動産の調査や遺産分割協議を進めていく必要が出てきます。

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