どうなる?遺言書がない場合の遺産分け

こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

前回は、“親が遺言書を残したかどうかわからないときの対処法”について、ご紹介しました。

今回は、”親の遺言書がない場合の遺産分け”について、ご紹介します。

目次

親の遺産分けの登場人物と取り分

親が遺言書を残さないで亡くなった場合のために、法律は親の遺産を分ける割合の目安として「法定相続分」という割合を定めています(民法900条)。

親が亡くなった場合、誰が親の遺産を引き継ぐ権利があるのか、簡単に下記の表にまとめてみましたのでご参考にしてください。

親の遺産を放っておくと厄介な「共有」財産になる

 たとえば、あなたの父親が不動産を所有しているとします。実家には父親、母親が住んでいて、兄弟は兄1人という場合、父親が亡くなったと同時に、その土地の権利は「法定相続分」に基づいて、母親が半分を、残りの半分を子供達で均等(兄とあなたが四分の一ずつ)に分け合うことになります。

 この法定相続は自動的に行われ、不動産の登記手続きも必要としません。土地の所有者が登記上、亡くなった父親のままでも、実際は母親が二分の一、兄とあなたが各四分の一の割合で所有していることになります。このように数人が一つの物を所有している状態のことを「共有」といいます。

 土地や建物を共有のままにしておくと、権利関係が複雑になるので様々な問題が起こるケースがあります。たとえば、共有の土地を売る場合、共有者全員の合意がなければ売ることはできません。そうなると、買う側からすると、「買うときに面倒そうな土地」ということになります。通常、土地購入の際には検討している土地の登記簿謄本を取り寄せ、土地の所有者などを調べるのが一般的です。もし、登記簿謄本の所有者の欄に亡くなった人の名前が記載されていると、「相続が済んでいない土地」と判断されて買い手は購入を控えることが多いでしょう。そのほか、家屋が共有の場合は、家屋を取り壊す際などにも、共有で所有している人全員の合意がないと、誰か一人がそれをしたいと思っても実現できません。

 共有を解消するには、「誰がどれだけ相続するか」を決める話し合い(遺産分割協議)をしなければなりません。この際、当然、相続人全員が合意する必要がありますが、親子兄弟の間といえども、利害関係が絡むと話し合いがスムーズにまとまらないケースが多くみられます。

まとめ

 遺言は法定相続より優先するものです。先ほどの事例では、父親が生前のうちに遺言書を作成しておけば、トラブルを回避することができた事です。なお、遺産分割協議をしないで放置しておいてしまうと、その間に相続人が死亡するなどして、さらに相続が発生することも考えられます。こうなると、事態は一層複雑になってしまいます。こうしたことを防ぐためにも、親の遺言書は必要なのです。

 今回の記事を参考にしていただいて、親と遺言書について話合いの機会を設ける方もいらっしゃるかもしれません。円満な相続への備えとして、親が元気なうちに、一度ご家族で話し合われることが良いと思います。

 ただし、自分で法的に有効な遺言書作成を実施することが難しい場合や、相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。

なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産

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