こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
通常、親が遺言書を残すときは、「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」のどちからの方法です。今回は、自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴を比較してご紹介します。
法的不備の危険や検認が面倒だが、手軽に残せる自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言を残す人が自分で書いて残す遺言書のことです。遺言能力があって、字を書くことができれば、親はいつでも自筆証書遺言を残すことができます。しかも、必要なものは紙とペン、印鑑だけですから費用も割安で済みます。自筆証書遺言はいいことばかりのように思えますが、そう簡単にはいきません。
自筆証書遺言は偽造・変造や隠匿・破棄などの危険性が常に付きまといます。そのため、本人が書いたものなのかをめぐって争いが起きることもあります。
また、法律知識が乏しい人が残すと、内容がはっきりしなかったり、法律では認められていない方法で書いてしまうことも少なくありません。そうなると、遺言書は役目を果たさず、親が亡くなった後に遺言書の有効・無効をめぐって身内同士の争いがおこることもあり得ます。
自筆証書遺言の最大のデメリットは、家庭裁判所で「検認」の手続をしなければならないことです。検認をしないと、預金の解約・名義変更など一切の相続手続を進めることができません。検認の手続は、非常に面倒で。請求の準備から検認終了まで、通常2カ月程度かかります。さらに、検認をした後でも、次項で説明する公正証書遺言に比べて金融機関の手続が煩雑になります。
手軽で費用もかからなくて楽な分、親が亡くなった後の手続きが面倒で、最悪の場合、遺言書の偽造・変造・または隠匿、そして遺言の有効・無効を争うこともあり得るのが自筆証書遺言です。
もし、親が残した遺言書が法的に有効であるか確かめたいときは、市区町村または行政書士などの専門家の団体が実施している無料相談を利用することもできます。お住いの市区町村役場または各専門家の団体に問い合わせをすれば詳しく教えてくれます。なお、じっくりと相談したい場合は専門家に直接相談することをオススメします
作成が面倒で費用はかかるが、法的に確実な公正証書遺言
親が公正証書遺言を残す場合、次の手順で作成されます。
①親が商人2人の立ち合いのもとで、②親が遺言の内容を話、③公証人hが、親が話したことを書いて、書いたものを親と二人の証人に読み聞かせます。そして、④親と証人が、公証人が作成した文書の内容が正確なことを承認した後、各自これに署名した、印を押し、⑤公証人が、この文書が「民法で定められた方式にしたがって作成したものであること」を付記し、これに署名し印を押します。
親と証人、公証人が署名した「原本」は公証役場に保管され、親には「正本」と「謄本」が渡されますので、破棄・隠匿の危険性はゼロです。
公証人、さらに証人2人の立会という厳重な状況のもと作成される公正証書遺言は、証拠能力が高く偽造・;変造されることはまずありません。そのため、親が亡くなった後に自筆証書遺言に課せられている家庭裁判所への検認を行なう必要がなく、すぐに相続手続を開始することができます。検認が不要なことが公正証書遺言の最大のメリットだと言えるでしょう。
公正証書遺言を作成するためには、親は公証役場に提出する書類の収集や、公証人との数度の打ち合わせを行なう必要があります。また、法律で決められた一定の手数料を納めなければなりません。
まとめ
今回の記事を参考にしていただいて、実際に遺言書作成される方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、自分で法的に有効な遺言書作成を実施することが難しい場合や、相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。
なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。