こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
前回は、遺言書の内容に書いてあると子供が助かることを具体的なお話でした。今回は、前回に引き続き具体的な例をご紹介いたします。
遺言書の手続を仕切ってくれる人(遺言執行者)
遺言者には、亡くなった後に遺言の内容を実現するための手続をしてくれる人「遺言執行者」を記すことができます。
未成年と破産者以外の人であれば、遺言執行者になることができます。
遺言執行者は、相続財産の管理やその他遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権利と義務があります。さらに遺言執行者がいる場合、相続人は、遺言の内容を実現することを妨げる行為をすることができません。遺言の内容を実現するためには、遺言執行者を指定しておいたほうがよいでしょう。
遺言書の中で遺言執行者を指定すると一番助かるのは、金融機関の名義変更や払い戻しの手続です。金融機関の中には、遺言書に「預金を特定の子どもに相続させる」という内容を記しているにもかかわらず、金融機関の名義変更や払い戻しの手続きです。金融機関の中には、遺言書に「預金を特定の子どもに相続させる」という内容を記しているにもかかわらず、金融機関所定の用紙に、相続人全員の署名や実印の押印を求めてくるところがあります。そうした場合でも、遺言執行者が遺言書に記されていれば、通常は遺言執行者の署名と押印さえあれば手続きを行なうことができます。遺言書で遺言執行者を指定する場合は、以下のように明記すればよいでしょう。
遺言者は本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
遺言者の長男○○○○(昭和○○年〇月〇日生)
遺言者(親)より先に相続人(子供)が死んだらどうするのか
人の命はいつどうなるか誰にもわかりません。高齢化社会のいま、親より先に子供が亡くなることも珍しくないでしょう。親より先に子供が亡くなることを「逆縁(ぎゃくえん)」と言いますが、遺言によって親の財産を受け継ぐはずであった子どもが、親より先に亡くなってしまったら、亡くなった子どもが引き継ぐはずだった親の財産はどうなるのでしょうか。
実は、この財産は相続人全員の共有財産となります。親が遺言書を書き換えずに亡くなったとして、この財産を親から引き継ぐには、相続人全員で遺産分けの話し合いを行う必要が生じてきます。
そこで、遺産分けの話し合いを避けるには、新たに親に遺言書を残し内容を更新してもらうことです。とはいえ、子どもが亡くなったすぐあとでは、親も遺言書を書き直す気持ちにはなれないかもしれません。子供のほうも、兄弟が亡くなった後で、親にもう一度遺言書を残してくれとは言いづらいでしょう。
また、新たに遺言を残そうとしても、その時点で親が認知症になっていたりなど、遺言能力が欠けているケースも考えられます。
そこで、最初に親が遺言を残すときに、逆縁などの「万が一」を想定した内容を、あらかじめ盛り込んでおくとよいでしょう。このような「万が一」を想定した遺言のことを「予備的遺言」といいます。
たとえば、「長男に残すはずであった土地・建物を、万が一、長男が遺言者(親)より先に亡くなってしまった場合は二男に残す」といったように記しておけば事足ります。
まとめ
今回の記事を参考にしていただいて、実際に遺言書作成される方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、自分で法的に有効な遺言書作成を実施することが難しい場合や、相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。
なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。