こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
前回は遺言書を家族の話題にするときの注意点についてのおはなしでした。今回は遺言書を残すことに前向きにならない親へのアプローチ方法についてご説明します。
親に今後の生活の希望を聞いてみる
親が遺言書を残すことに前向きにならない理由の一つに、親自身が財産をしっかり把握していないことがあげられます。普段、遺言について深く考えていなくても、大まかに遺産分けについてイメージしている親は結構いるものです。しかし、いざ遺言書を書くとなったら、今持っている財産を正確に把握していなければ、具体的な財産の分け方を書くことはできません。親にしてみたら、財産を細かく把握することが単に面倒だったり、具体的に考えることに少し抵抗があるものなのです。
こような場合は、親に今後の生活の希望について聞いてみましょう。これから希望する生活が具体的になれば、自然と今ある財産について把握することが必要になってきます。希望する生活を実現するためには、財産をどのように有効活用したらよいのか考える必要が出てくるからです。
遺言書は、おもに自分が死んだときに残っている財産を、自分の死後に有効活用するために残すものです。いわば、“財産の引継ぎ書”といっていいでしょう。
親はこれからの生活のために「生前の財産の有効活用」を具体的に考えることで、「死後の財産の有効活用」を実現してくれる遺言書の役割を理解してくれるはずです。
親に対して「亡くなったら財産をどうしたいの?」といきなり聞いても、親は困惑するだけです。そこで、今後の生活の希望について聞くことが大切なのですが、そのときにはコツがあります。まず、聞いてみるタイミングですが、次のような記念日に聞いてみることをおすすめします。きっと話のきっかけがつかみやすくて聞きやすいはずです。
・親の誕生日
・父の日、母の日
・両親の結婚記念日 など
たとえば、親の誕生日なら、「おめでとう。父さんも今年で80歳だね。まだまだ元気だし、これから何かにチャレンジしてみたら」など聞いてみましょう。親が「そうだね、足腰が動く間にまだまだ旅行に行きたいね」などと言ったら、「どこに行きたい?」と、さらに詳しく聞いてみてください。そして、親の希望の旅行先が決まったら、パンフレットを集めてあげたりすれば会話も弾むことでしょう。
このように、きっかけを上手に作って、親子のコミュニケーションが今まで以上にふかまってくれば、自然と、人生が終わった先の希望についての話も親に聞きやすくなります。また、親もあなたに話しやすくなります。
そして、人生が終わったときの話が出たときに遺言書について親に説明してみましょう。このような状況で遺言書の話がでれば、親子の間で違和感なく遺言書について話し合えるはずです。
親はこれからの生活の希望を考えることによって、自分が亡くなった後の希望がだんだんとハッキリ見えてきます。そして、亡くなった後に希望を叶えてくれる遺言書の必要性を理解することができます。遺言書を残す前に、親の希望を具体的にしておく必要があるのです。

まとめ
今回の記事を参考にしていただいて、ご家族で遺言書について話し合われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、自分で法的に有効な遺言書作成を実施することが難しい場合や、相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。
なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。