こんにちは！枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
前回は親から遺言書を残してもらうための大切なポイントのお話でした。今回は遺言書を家族の話題にするときの注意点についてご説明します。
普通の会話に遺言・相続の話題を入れる
「自分だけなんとかして親の遺産を多くもらいたい」というよこしまな考えは論外として、たいていの人は、親の相続をめぐる身内同士のゴタゴタを避けて、家族および親族が今まで通りに仲良く過ごしていきたいと思っているでしょう。そのためには遺言書が必要だと思っても、いざ親に話そうとすると、「財産を狙っていると思われるのではないか…」「なんだか、親が亡くなることを期待していると思われてしまうのではないか…」などと、なかなか親に言い出せないものです。
当然ながら、遺言書は親が亡くなることを前提に書かれるものです。しかも、その内容は親が亡くなったときの遺産の分け方が中心です。そのため「財産狙いと思われるのではないか」とプレッシャーを感じてしまうのも仕方のないことです。
そこで、遺言・相続の話題を会話の一つと位置付けてみることをおすすめします。そう考えると気持ちが楽になります。
普段、日常的な会話しかしていない親に対して、「実は、話があるのだけれど、そろそろ遺言書を残してくれないかな」とあらたまって話を持ちかけたら、「自分の財産を狙っているのではないか」と親も身構えてしまうでしょう。
会話の取っ掛かりとしては、有名人や自分の周りで起きた相続の話題を何気なく振ってみるだけで十分です。大切なのは、親に自分自身の相続について意識してもらうことです。
注意深く遺言・相続についてアンテナを張っていると、話題には事欠きません。テレビ、新聞、週間誌、電車の中吊り広告、インターネットなど遺言・相続を意識して回りを見ていると、遺言・相続を意識して回りを見てみると、遺言・相続の話題はあなたの回りにあふれています。親と一緒にお茶を飲んでいるときに、テレビで遺言や相続の話題が出たら「遺言書って、残しておいたほうがいいんだね」とか、「女優の○○さんの相続って大変そうだね」のようにひと言つぶやくだけで十分です。
あなたのつぶやきに対して親が「ウチには、残すような財産はないから遺言なんて関係ないね」と遺言に対して否定的な言葉が出ても、「そんなことないよ！」などとすぐに反論するようなことをしてはいけません。
まずは、親に遺言について意識してもらうことが第一歩なのです。具体的な話は親が遺言や相続に興味を示してからです。いきなり、具体的な遺産分割などの話をすると、順調な親子関係にひびを入れかねませんので、十分注意しましょう。
親に遺言の必要性を“解説者目線”で伝える
親に遺言書を残してもらうために一番やってはいけないことは、感情的になることです。親子の間ではついつい感情的になりがちです。とくに遺言の話は親が亡くなった後の遺産の分け方が中心なので、ちょっとした誤解が感情的な亀裂を生んでしまうことがあります。
子どもは「せっかく家族のことを思って遺言の話をしたのに親が聞いてくれない」と思う一方で、親のほうはというと、「財産をどう残そうと自分の勝手だ！」といったように思い勝ちです。そして、いったんお互い感情的になってしまうと、修復することが難しくなってしまいます。
このような事態にならないために、遺言の必要性を、客観的・冷静に親に伝えることが大切です。
そのためには、まずあなたが遺言と相続について正確な知識を身につけることです。正確な知識があれば、親の相続を客観的・冷静に見ることができます。そうすると、親に遺言の話を切り出す時に、感情的な気持ちを抑えて話すことができます子供から法的根拠を交えた話を聞けば、親は遺言の必要性について理解を示してくれるはずです。
親は自分の死後に大切な家族が自分の財産をめぐって揉めることを望んではいないはずです。また、遺言書によって自分の財産を、自分の思うように残すことができることに魅力を感じるはずです。
このように、遺言書を残すことで自分の死後も相続で争うことなく家族の絆が保てることができ、なおかつ自分の財産を亡くなった後でも自分の思うように残すことができるとわかれば、親も遺言書を残すことを前向きに考えてくれるようになるはずです。
まとめ
今回の記事を参考にしていただいて、ご家族で遺言書について話し合われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、自分で法的に有効な遺言書作成を実施することが難しい場合や、相続した不動産の売却処分（換価分割）でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。
なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。
