こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。
もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。
前回は相続した空き家を売却するときに活用できる”空き家特例”のお話でした。今回は相続した不動産を売却するときの注意点についてご説明します。
相続マーケットって何?
不動産投資家の間に、「相続マーケット」という言葉があるのをご存じでしょうか?
これは、遺産を換金して分けるためであったり、相続税の支払いに充てるためであったりと、相続人が売り急いでいるため、買主の不動産投資家からすれば、本来よりも超割安(好条件)な金額で購入できるチャンスのことを表現した言葉です。
確かに、揉めている相続であれば、1日も早く不動産を現金化してスッキリしたいかもしれません。ただ、せっかく故人が残してくれた大事な遺産です。正当な価格で売れるように頑張ることをオススメします。

不動産を高値で売るポイント
不動産売却の基礎知識として、まず、媒介契約の種類を、しっかりと押さえておきましょう。媒介契約とは、不動産仲介会社と売主との間で結ばれる契約で、不動産仲介会社が売主の代わりに買主を見つけてくれることを任せる契約です。この媒介契約には3種類あります。
●一般媒介契約
●専任媒介契約
●専属専任媒介契約
これらの最大の違いは、同時に複数の不動産会社と媒介契約をすることができるかどうかです。一般媒介の場合は、複数社と契約可能で、かつ、自分で買主を見つけてくることも可能です。
専任媒介場合は、契約は1社のみとしかできませんが、自分で買主を見つけてくることも可能です。
専属専任媒介の場合は、契約は1社のみ、かつ自分で買主を見つけた場合も、不動産会社の仲介が必要になります。
それぞれの契約のメリット・デメリット
専任媒介や専属専任媒介のメリットは、不動産会社が仲介手数料を確保できることから、よりよい買主を探すのに積極的に取り組んでくれる点です。その一方で、デメリットは、不動産会社が、売主と買主の両方から仲介手数料を得ようとし、自社と媒介契約をしている買主から購入希望者が出るまでの時間稼ぎをされてしまう可能性がある点です(これを囲い込みといいます)。
一般媒介契約のメリットは、同時に複数の不動産会社に依頼をすることにより、競争原理を働かせ、最も高い値を付けた買主と契約することができる点です。デメリットは、不動産会社の立場からすると、「買主を一生懸命探しても、結局、他社と契約されたら1円も得にならない」という心理が働くため、不動産会社から露骨に嫌な顔をされることがあります。
オススメ方法と注意点
このように媒介契約の種類によってメリット・デメリットがあります。個人的にオススメするのは、「一般媒介契約でお願いしても、専任媒介と同じように一生懸命やってくれますか?」と質問し、「はい、もちろんです!」と気持ちの良い返事をしてくれた不動産会社とだけ媒介契約をする方法です。一般媒介でも一生懸命やれるというのは、その不動産会社が良い買主を探すことができる自身の表れでもあります。

ただ、この手は人気エリアの物件に限って使える方法かもしれません。人気が落ちているエリアの物件については、専任媒介か、専属専任媒介でやってもらわないと、なかなか買主が現れない可能性も十分にあります。
時間に余裕のある方は、最初は一般媒介で買主を探し、買主が見つからない場合に、次の手段として専属専任媒介等に変更するのがいいです。なお、専任媒介か専属専任媒介かであれば、もし知り合いで買ってくれそうな人がいる場合には、専任媒介がオススメです。そういったあてがまったくない人は専属専任媒介がいいでしょう。
不動産の売却は往々にして、時間をかけてじっくりと買主を探したほうが、結果として高値になる傾向があります。売り急いで後悔しないように、計画的に売却手続を進めましょう。
まとめ
今回の記事を参考にしていただいて、相続した不動産の売却手続に取り掛かる方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、お時間等が無く、自分で手続きを実施することが難しい場合や、相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。
なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。