こんにちは!枚方の司法書士 尾花健介です。

もちろん枚方だけでなく、寝屋川市、香里園、樟葉、守口市、門真市、四条畷市、東大阪市など、枚方を中心とした関西全域に対応している司法書士として活動しております。

さて、今回は、ゴルフ会員権の相続について説明いたします。

ゴルフ会員権は相続できる?売るときのポイントは?

ゴルフ会員権とは、会員制ゴルフ場の利用権のことをいいます。会員になると、ゴルフ場の競技会に参加出来たり、優先的に予約ができたり、割安でプレーできたりとさまざまな特典を受けられるメリットがあります。

 ゴルフ会員権は、バブル時に最高値を更新し、富裕層を中心に投資目的で取得されました。しかし、バブル崩壊とともに、ゴルフ会員権の価格も急落し、市場では売りが先行したため、投資目的で購入した人は売りたくても、売れないという状態が長く続きました。そのため、処分ができず、やむなく持ち続けているという人も多いかもしれません。

 ゴルフクラブの中には、会則等によって、会員の死亡を会員資格の喪失事由として定めている場合があります。この場合には、会員の地位は相続の対象とはなりませんが、このような会則がない場合には、一般的に相続の対象となります。

ゴルフ会員権の相続の流れ

①証書を確認する

 大きさはゴルフ場によって異なりますが、表彰状のような見た目のものです。表には、「○○ゴルフ場会員証書」「○○ゴルフ場会員権」などと記載され、「保証金 金○○○円」と書かれているものが多いようです。失くしている場合には、紛失・再発行の手順に費用・期間がかかります。

②ゴルフ場名を確認する

 経営者の交代などによりゴルフ場名が変わっている場合がありますので、確認しましょう。

③名義書換をして会員権を利用する?売却する?
●名義書換をして利用する場合

 ゴルフ場既定の名義書換料が必要です。ゴルフ場によって異なりますが、10万円~100万円程度が相場です。別途、年会費や追加預託金が必要になる場合もあります。

 また、ゴルフ場によっては、年齢、他のゴルフクラブ在籍の有無、クラブ在籍者による紹介か否かなど、入会条件を満たしているかの審査が行われますが、相続の場合は、入会条件が免除されるケースがあります。

 しかし、男性会員から女性会員への名義書換ができないなど、名義書換条件が厳しいゴルフ場もありますので、相続する人が会員になれる人かどうか、事前に確認をしましょう。

 必要書類を提出、入会審査を経て、名義書換料を振り込むと、メンバーとしてプレーが可能になり、後日、ゴルフ場から新しい会員証書やネームプレートなどが送付されます。

●売却する場合

 売却の方法は、「①代表相続人に名義を換えることことなく、そのまま第三者に売却できる場合」「②一度代表相続人に名義を換えてからでないと売却できない場合」の2通りがあり、ゴルフ場によって異なります。

 ①、②ともに会員権業者に支払う手数料が発生します。取引価格の2%~3%程度が目安です。加えて、②の場合には、名義書換のためにゴルフ場に支払う費用が発生します。通常の名義書換料より割安になっているゴルフ場が多いですが、名義書換に日数を要するため、すぐに売却することができません。

 ゴルフ場に①、②のいずれに該当するのか確認が完了したら、会員権業者を通じて市場で売買手続を進めるのが一般的です。ゴルフ場は春、秋がトップシーズンですので、この時期には買い希望が増加し、高値で売れる傾向にあります。

④必要書類を準備する

 名義書換をして利用する場合も、売却をする場合も必要となる書類は同じです。

 

●ゴルフ会員書、またはゴルフ会員権
●遺言書もしくは遺産分割協議書の原本(コピーで良い場合もあります)
●戸籍謄本の原本(故人の出生から死亡までのものと、相続人全員の現在戸籍を準備しましょう。コピーで良い場合もあります)
●相続人全員の印鑑証明書の原本(発行から3カ月以内のもの)

 遺産分割協議書がない場合には、誰がゴルフ会員権を相続するかを記載した同意書を作成し、相続人全員が署名・押印(実印)をして、提出します。なお、この同意書は、ゴルフ場で用紙が決まっている場合があります。

償還という手続きもある

 預託金制のゴルフ会員権で、市場での売却が難しい場合には、会員権をゴルフ場に返すことを意味する「償還」 という手段をとることができます。預託金は、10年~20年の据置期間を経て、会員が退会する際に、返還されるのが一般的です。

 市場で取引されている価格が預託金額を下回る場合や、そもそも市場での売却が難しい場合には、退会手続きを行い、預託金の返還を受ける「償還」を選択しましょう。

 ただし、会員減少によるゴルフ場の経営状態の悪化や、償還を選択する人の増加に伴い、ゴルフ場に預託金を返還するだけの資金力がないという理由から、特にバブル崩壊後には返還を拒否される問題が多発しました。償還手続をとりたい場合には、ゴルフ場に返還が可能か確認をしましょう。

まとめ

    今回は、ゴルフ会員権の相続手続きについて、まとめてみました。

    今回の記事を参考にしていただいて、ご自身でゴルフ会員権の相続手続に取り掛かる方もいらっしゃるかもしれません。

    ただし、お時間等が無く、自分で手続きを実施することが難しい場合は、ご契約先のゴルフ場に、直接相談いただいた方が早いと言えるでしょう。

    相続した不動産の売却処分(換価分割)でお困りなら当事務所まで是非ご相談ください。

    なお、相続や遺言のことをもっと詳しく知りたいという方は、下記の“総まとめページ”の用意もありますので、是非ご参考になさって下さい。

    枚方市・交野市・寝屋川市の皆さんへ、相続・遺言・遺産分割のまとめ情報

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